らくだはお気楽
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085:フルーツ より

このナイフルーツは遠く西方の囘教王に發すと聞きつ
酒井景二朗 (F.S.D.)

 読み逃げなのに無理のないこの歌を一首選に。
 無学にして回教王とナイフの関係は分からないが、ググってみると
 
屠畜
必ずムスリムが殺したもので無ければならず、鋭利なナイフで「アッラーの御名によって。アッラーは最も偉大なり」と唱えながら喉のあたりを横に切断しなければならない。 (ウィキペディアより

なんてのも出てくる。
 あるいは、悲劇の王の死に関係するナイフ、なんて如何にもありそう。(おぃ^^;

 とにかく、意外にフルーツは難しいお題だったのでした。

2013/04/21  | trackback(0) | comment(0)


084:総 より

常春のごとし自社ビル屋上の総務課女子のランチタイムは
ひぐらしひなつ (エデンの廃園)

 いいんじゃないですか、常春なら。
 ややキャピキャピ度もありそうな、明るくて賑やかでのどか。
 たとえ裏で何かあるとしても、ね。(え
 
 屋上でお弁当か。「自社ビル」ならでは。テーブルなんかも置いてあったりするのかもね。
 女子はみんな、お弁当持ってくるってこと? エライなぁ。
 食べに行く組はここには来られないから、あとはコンビニ弁当とか?
 
 「総務課」だけだからなかよしってことかもね。
 秘書課だの営業課だの、大きな会社だといろいろ悶着ありそうで^^;
 ドラマの「ショムニ」は「常春」どころじゃなかったけど。(だいぶ話が古い……^^;

2013/04/20  | trackback(0) | comment(0)


083:溝 より

側溝に落ちた車は無念さを傾いだ角度で訴え続ける
東雲の月 (知のさざなみ)

一瞬で世界が変わる側溝の蓋なき路に斜めの愛車
jun (純情一直線)

 久々のコラボ。
 
 運転しないので「一瞬で世界が変わる」感覚は想像するしかないが、映像や写真では見た覚えがあるこの光景、なるほど「斜めの愛車」は「無念さを訴え続ける」と言いたくなるちょっと間の抜けた景である。
 まぁ……溝に蓋がなくても、落ちるのは車のせいではなく運転手の責任なので、車にしてみれば「無念」かもしれん。
 
 この後のもろもろの手続きが大変そうだなぁと思いつつ、それでもなんとなく大怪我するような事故でない風なので、暢気に読ませて頂きました^^;

2013/04/20  | trackback(0) | comment(0)


082:万 より

ペン先のやわらかな撓り確かめる赤いボディの万年筆よ
ほたる (ガラス瓶のドロップ)

 万年筆は文房具の王様ではなかろうか。
 もちろん単なる私見だが、ブログでもよく万年筆ネタを見るし、修理やら手入れ法やら検索すればすぐ見つかる、それほど万年筆に関する情報は多い。
 
 万年筆は単なる筆記用具の範疇を超えると思う。この歌のように、ペン先の撓り具合から、ボディの色艶まで、うっとり眺めてしまう、そういう魅力がある。
 「赤いボディの万年筆」なら、手に持つだけで、大事に握ると思う。第一、万年筆は正しく持たないときれいに書けないので、自然と持ち方から書き方まできれいになるってもんですよ。
 
 万年筆で何を書いたか、ではなくて、万年筆そのものの歌。
 撓りを確かめ、インクの出を確かめ、でも別に、何を書くわけでもなかった、そんな気がする。
 

2013/04/18  | trackback(0) | comment(0)


081:配 より

老動詞がが配下の助詞ののの品下る起ち居に激し渇を入れどもももも
伏木田遊戯 (卓上驟雨)

 「入れどもももも」ですからね、一首選確定です^^;(おぃ
 たまさか「の」が助詞だもんだから、字余りもなんのその、 

  老動詞「が」が/配下の助詞の「の」の/品下る/起ち居に激し/渇を入れどもももも

 と読んで大いに笑ったわけですが、「が」っていう動詞なんかないよーん、とアホな検索したりして……^^;
 で、助詞=女子と読むと大いに意味が通りやすくなるなぁ、と思ったものの、その場合「老動詞」は老同志だろうか、労働者なんだろうか……てなわけで、やっぱりダメダメな読みなのだった。とほほ。
 ただ、大いに笑った読者としては、そういう意味を読まない可笑しさの方がばかばかしくて好き。おばかだからこその「もももも」だもんね。

  「渇を入れる」は凡ミスなのか、別の意図があるのかそこだけ分かりません。
  (そこだけじゃないじゃん……^^;

2013/04/18  | trackback(0) | comment(0)


080:結婚 より

探す世の そう 結婚は永久の日の和とハンコつけ 嘘の縁(よすが)さ
保武池警部補 (偶然の図書館の別館)  

 「ハンコつけ」、笑ってしまった^^;
 
 探して探してやっと見つけて、ハンコついても、「嘘の縁」……救われないなぁ。
 読みようによっては、後ろ向いて舌を出している結婚詐欺師のような歌だが……(おぃ^^;
 
 まぁ、「永久の日の和」をめざしてふたりで実行する契約、ということで。
 とにかく、「ハンコつけ」と言われてついた以上は、努力しませう。
 嘘も貫き通せば本当に変わるかもしれないしね。

2013/04/05  | trackback(0) | comment(0)


079:雑 より

読みさしの雑誌のごとく新学習指導要領置き去りにせり
桑原憂太郎 (憂太郎の短歌Blog)

 ゆとり教育も結局失敗に終わり、早々に学力向上のカリキュラム、という近年。小学校から英語やらなくてもと思うんだけど、現場はそれどころじゃないだろうなぁ。
 
 「置き去りにせり」はもう、文科省に振り回される現場の教師の本音そのものか。立場上、実際は「読みさしの雑誌のごと」き扱いは出来ないのかもしれないが、指導要領なんぞどうだって、生徒は、好きな先生はずっと覚えているもの。
 このご時世に教師という職を選んで教壇に立つ先生方には、矜持を持って励んでいただきたい。

2013/04/05  | trackback(0) | comment(0)


078:卵 より

無理をして片手で卵わるような日々につかれて飲む茉莉花茶
久野はすみ (ぺんぺん100%)

 ありそうで見たことない比喩に惹かれた。
 「無理をして片手で卵わるような」、連想する具体的状況は人それぞれだと思うけど、言いたいことは何となく誰もに通じる気がする。
 ひとことで言えば、ええかっこしい、ってところか。
 
 無理して人に合わせたり流行りに乗ったりしても、しあわせにはなれない。
 無理をしなくても片手で割れる人にまかせておけばいい。 
 
 茉莉花茶でつかれた心を癒して、明日からは両手でゆっくり卵を割ってください。

2013/04/05  | trackback(0) | comment(0)


077:狂 より

其はまるで恋にも似たり吾が胸の触れ得ぬ箇所へ点る狂気は
水風抱月 (朧月夜に風の吹く。)

 主体は、冷静に「吾が胸の触れ得ぬ箇所へ点る狂気」を見ている。今現在狂っているとは思えないが、いつ狂ってしまうか分からない、狂気の発芽を見ている。
 狂ってしまったらもう理性は通用しない、そこら辺が「恋にも似たり」と言えるだろうか。

 誰しも、何かを強く請い願い、でも叶えられない、ということはあるわけで、でも誰もが狂気を身内に点すとは限らなくて。
 狂気に至る境目って何処なんだろう。その、一歩を踏み越えてしまうからこその狂気。

 一読した時は、恋の果てが狂気では?と思った。たとえば六条御息所。その場合は、恋に似ているのではなく、もともと恋だったもの。
 この歌の場合は恋情の果てではないようだ。でも、何に対する狂気かは多分どうでもいい。
 主眼は「狂気」そのものなのだと思う。

2013/04/03  | trackback(0) | comment(0)


076:ツリー より

鮮やかなビジョン託され伸びてゆくスカイツリーの孤高なる夢
晴流奏 (晴流奏の題詠blog)

 新聞のテレビ欄にピンクの帯がついている日があって、スカイツリーからの試験放送らしい。
 この歌の頃はまだ「伸びてゆく」途中だったんだなぁ。

 「鮮やかなビジョン」とはもちろん未来の、ということだろう。スカイツリーに移行したからといって今までの映像よりすごく鮮明になるってことはないと思う。
 
 すっかり完成して世界一のタワーとなったスカイツリー、下々にテレビという夢を発信しながら、自身は「孤高なる夢」を見ているのかもしれない。

2013/04/03  | trackback(0) | comment(0)


075:朱 より

延々とつづく鳥居をくぐり行く伏見稲荷の朱色の世界
原田 町 (カトレア日記)

 延々と終わらない朱い鳥居、くぐって行くうちにいつしかこの世ならぬ怪しい世界へ紛れ込んでいく、「伏見稲荷の朱色の世界」という措辞からそんな世界観が感じられた。

 ま、実際お稲荷さんだし、化かされることも……^^;
 
 くぐってみたいような恐ろしいような。

2013/03/22  | trackback(0) | comment(0)


074:刃 より

まな板の朝の光を切り刻む出刃包丁はやさしい楽器
ウクレレ (ポケット短歌。-ウクレレ式短歌blog-)

 出刃包丁という言葉がこんなに不釣り合いな景はないんじゃないか。
 朝の光に満ちた台所の、水もキラキラして見えるまな板の上の、「光を切り刻む」それは詩的な措辞なのに、やさしい楽器という結句とのあいだに「出刃包丁」、キラキラ~な朝の景で、一瞬ぎょっと目を瞠ってしまう。
 もちろんお題だから出てきた出刃包丁なんだろうし、主体は料理が得意で何種類もの包丁を使い分けていて、当たり前に出刃を使うのかもしれない。
 
 でも、出刃包丁って基本は魚用だよね。朝っぱらからまな板で「やさしい楽器」の音を鳴らすような使い方はしないのでは?
 切り刻む、やさしい楽器という措辞からはキャベツの千切りみたいな音を連想するけど……漁師町で、なめろうなんか作っているとか?
 
 グロい景を皮肉に詠んでいる、という読み方をすると、「やさしい」が恐ろしく見えてくる^^;
 深読みしすぎかしらん?

2013/03/02  | trackback(0) | comment(0)


073:自然 より

不適切かつ不自然な関係を結びに午後のバスに乗り込む
ひぐらしひなつ (エデンの廃園)

 きゃーっ!!
 こんなにきれいにさらっと詠まれているとつい騙されてしまうが、イケナイ歌ですよーん。
 この「午後」はもちろん日曜や祭日じゃないんだろうね。
 都会のどこかで、密かな逢瀬。
 
 「不適切かつ不自然」と分かっているからには、きっといつか精算する時がくる……んだろう、多分。

2013/03/02  | trackback(0) | comment(0)


072:汚 より

悪徳を知りそめし夏過ぎさりて生徒手帳の汚れを落とす
廣田 (海猫亭)

 私の年では、高校生のイメージだが、今時だと中学生かなぁ……
 それでも「悪徳」を知るのは夏休みなんだね。
 
 犯罪方面にはなるべく読みたくないので、「悪徳」は、親に嘘ついて何かするとか、夜遊びとか、そういう「生徒」時代らしいことと考える。
 それまでは真面目な子だったんだから。
 
 で、「生徒手帳の汚れを落とす」。
 二学期になって、「悪徳」なぞ知らぬげにしれっと真面目な子の顔に戻る、という意味かなぁ。
 イマイチ読みが足りないとは思うが……生徒手帳の汚れは落とせても、自分の中の「悪徳」は消せない、そういう、思春期の歌と思ったです。

2013/02/20  | trackback(0) | comment(0)


071:謡 より

春雨に枕くづせる女居て遠きむかしを艶めく謡ふ
横雲 (あしたの雲)

 吉原が舞台の映画のワンシーンみたい。
 色っぽい。
 でもさみしい。
 「遠きむかし」は何も知らない子供の頃か、おとこを愛して後のことか。

 つい今しがた、客は帰ったのだろう。
 謡いながら、女の心は虚ろなんだろう。


2013/02/20  | trackback(0) | comment(0)


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