らくだはお気楽
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045:幕 より

記憶には幕がかかっていてきれい な ところしかおもいだせない
星川郁乃 (Air Station)

 そのとおり!!
 人間の脳みそは自分に都合のいいようにしか覚えていない。というより、都合のいいように改ざんするというべきか。

 スペースの使い方が面白い。「な ところしか」の一拍は、音としての空白とともに、上の句の嘘っぽさを感じさせる働きをしていると思う。
 主体は、本当に記憶がきれいだとか、幕がかかっているからきれいだとか思っているわけではなく、都合のいい脳みその働きをちゃんと了解しているのだろう。
 
 初め、「まくがかかったような」という場合は「膜」だよなぁ、と思ったが、
 

しゃ‐まく【×紗幕】
紗のような薄い布地で作られた幕。照明の位置により幕の内側が見えたり見えなかったりするので、演劇の舞台などに用いられる。(大辞泉より)


ということで、「見えたり見えなかったり」がこの歌にぴったりである。
 演出という意味合いも含まれてなるほど「幕」だわと思った。

以下、お気楽選歌
作者名(作者ブログ名) 敬称略


小早川忠義 (Just as I am Returns)
文字薄き鐚銭ぽつりと飾られて室町幕府の力無きこと

星野ぐりこ (題詠100首爆走中。)
幕切れはあっけなかった もう夢を見なくていいし追わなくていい

八朔 (I am still here ... われひとりゐて)
気がつけばキミのそばには煙幕をはるヤツがいて視界が悪い   

西野明日香 (水の中のASIAへ(短歌な毎日))
幕引きのタイミングさえつかめずに冷めた紅茶に落とした砂糖

五十嵐きよみ (NOMA-IGAオペラ日記)
幸福な場面を描いた幕がない歌劇を見終えすこし疲れる

羽うさぎ (羽うさぎの日記帳)
花見幕ゆれてほのかに色づいたさくらときみが手まねきをする

佐藤羽美 (hinautamemo)
開幕のベルは優しく如月のふたりの耳を湿らせてゆく

みなと (海馬)
突きはなす一幕もあり抽象の鳥をかたりていろはにほへと

本田鈴雨 (鈴雨日記)
みんなみの東京湾やあさがほの幕を透かして遠花火みゆ 

近藤かすみ (気まぐれ徒然かすみ草)
目に見えぬ幕が隔てる人と人エレベーターは定員まぢか

千坂麻緒 (薔薇十字蕩尽短歌)
寒空にはりめぐらせた鯨幕しばし世界の色彩を消す    

みち。 (滑空アルペジオ。)
世界をつつむ暗幕の端にぎりしめわたしの罪はなんですかと訊く

ひぐらしひなつ (エデンの廃園)
閉幕を告げて反る影 尾を引いて日々は過去へと向かうのだろう

2011/06/05  | trackback(0) | comment(0)


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