らくだはお気楽
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041:越 より

初めての引っ越しはもう戻れない場所の重みをまだ知らなくて
都季 (31pieces)

 「初めての引越し」は、家族と共に別の場所へ移るか、家族から独立して一人暮らしなどをするか(その他の事情で家族と別れることも含め)。
 普通なら、一人暮らしするようになっても実家に帰れないということはないはずだから、この歌の「戻れない場所」というのは、離れて縁がなくなった場所、であり、たとえば、以前の学校の友だちと会うことになったとして、もうその地には所属していないという疎外感、なのかなと思った。
 主体はその後も何度か引越しを経験しているが、最初の引越しで切り離された場所の属性が、主体にとってはかなり重要な要素だった、ということだろう。
 その場所にいい思い出や大事な人達がいて、そして、引っ越すときは思いもしなかった喪失感が感じられるような経験をしたんじゃないだろうか。
 
 他の状況もさまざま考えられるが、結局自分の話になってしまう気がしたので止めた。
 自分に引きつけて読むのでない読みが難しい歌だった。

以下、お気楽選歌
作者名(作者ブログ名) 敬省略


小早川忠義 (Just as I am Returns)
縛るるを拒む男の腹の上にげにとれやすき越中褌

梅田啓子 (今日のうた)
冬を越し甘くなりたる白菜に塩をまぶしてぎゆつぎゆつ漬ける

久哲 (久哲の適当緑化計画。)
ガムテープで緊縛されて諦念の殉教者めく引越荷物

野州 (易熱易冷~ねっしやすくさめやすく、短歌編)
出征の兄を送りし嫂に夜這ふ越中ふんどしの父

冥亭 (《冥亭倶楽部》 the snow-ball planet)
軽々とウィルス越境しつつあり 二十一世紀の黒死病

風天のぼ (でんでんむしの夢)
三越の屋上に立つ日章旗 昭和の夏の風のぬるさよ

暮夜 宴 (青い蝶)
フェンス越しに見える誰かのしあわせを掴んだ腕が抜けないのです

(七十路ばば独り言)
秋立てば藍染めの布で荷を担ぎ薬持ち来ぬ越中の男

五十嵐きよみ (NOMA-IGAオペラ日記)
抜かれてはまた追い越して海までを少年たちの自転車が行く

石畑由紀子 (裏デッサン。短歌・題詠マラソンを走っています。亀スピードで。)
五線譜をスラーでひらり飛び越えるかなしくなんかないよララララ

萱野芙蓉 (Willow Pillow)
水のまま島など生まぬやうにして父の享年越える八月

bubbles-goto (BIBBLy HoUR)
守られているだけじゃもう足りなくてフェンス越えればはじめての海

酒井景二朗 (F.S.D.)
魂の在處はどこぞと訊ぬれば越中褌開く青年

志井一 (日記ホプキンス)
仕方なく追越車線を走ってる それが誰にも伝わってない

駒沢直 (題詠blog参加用。)
日曜の銀座に立って三越のライオン目線で見る人の群れ

村本希理子 (きりころじっく2)
さうだとは気付かぬままに越えてゐた 地図に見つけた小さな峠

みち。 (滑空アルペジオ。)
越えていくものすらなくておだやかでさみしい道に小石をおいた

2011/05/13  | trackback(0) | comment(0)


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