らくだはお気楽
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091:渇 より

荒るる酒飲みつぐ夜はこめかみの奥の渇きを舌先に載す
井関広志 (はじめの家)

 あら~自棄酒ですか。
 最初は仕事関係かなと思ったが、仕事だと大声で喚いていそうだし。この歌はなんとなくむっつり黙って荒れているようなので、やっぱり失恋で読むことにした。
 目をつぶると「こめかみの奥」あたりに浮かんでくる女性。他の男との結婚が決まったと知ったのかもしれない。なんとなく主体は相手の女性に告白していなそうなので、片思いの失恋である。
 「こめかみの奥の渇きを舌先に載す」は、ほんとは飲みたいわけでもない酒を飲むための口実として渇きを引っ張り出している、のであり、その「渇き」は彼女そのものだから、これまでの思い出(例えばあいさつしたときの笑顔とか)を反芻して未練に浸っている、のでもある。そして反芻するほど渇きはいや増して、また「荒るる酒飲みつぐ」わけである。

 飲まなきゃやってらんない夜もある。
 未練、というより、すこしばかりの後悔なのかもしれないなぁ。

以下、お気楽選歌
作者名(作者ブログ名) 敬称略


みずき (空)
枯渇せる泉は空を映しえず星降る夜の底ひ溜めゐし

詠時 (短歌の花道)
慈雨を待ち永く砂漠に眠る種 研ぎ澄む渇き内に秘めおり

柚木 良 (舌のうえには答えがでてる)
桃色の爪を磨いて妹は渇きの海を知らない身体

夏椿 (夏椿)
地におちてなほうち伏せぬ夏つばき空にいかなる渇望やある

大辻隆弘 (大辻隆弘 題詠100首のために)
餓ゑ渇きさらぼふものを足に蹴り踵に踏みて去らむとするか

桑原憂太郎 (桑原憂太郎の短歌Blog)
ため息が飽和してゐてがさがさと口の渇きぬ午後の教室

佐原みつる (あるいは歌をうたうのだろう)
嘘ばかりつく口がまたチョコチップクッキーを齧る 喉が渇いた

虫 (次郎)
なげやりに渇く真夏の道端に錆びたコーラの赤 それだけを

小早川忠義 (ただよし)
缶のまま一気飲みするビールなり喉とは違う場所の渇きに

蓮池尚秋 (ハスタンカ☆ブログ)
もう喉が渇いて死にそう こんな時なぜ自販機にシュークリームが

矢島かずのり (蟲短歌)
欲しくても渇いた井戸の中にあるはずがない水みたいでよけい

なゆら (リッスン・トゥ・ハー)
腰に手を当てて渇いたのどもとへ滑り込ませよフルーツ牛乳

2010/11/03  | trackback(0) | comment(0)


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