らくだはお気楽
FC2BlogAdminRss1.0b

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--/--/--  


059:ひらがな より

 久しぶりにコラボ。

ひらがなであったおとこが夕立とともに漢字に戻りはじめる
笹井宏之 (【温帯空虚】)

 「ひらがなであったおとこ」の背景はいろいろに読むことが出来るが、初見の印象は外回りの営業マンが公園のベンチかどこかでさぼっている、の図。あんまり暑くて溶けている感じだったのが、夕立でさーっと涼しくなって、吾に返っていく。そろそろ帰社する時間でもあるので世間向けの顔に戻っていく、という面もある。
 もちろん、自宅にいて、単に暑くてうだっていたところに夕立がきて一息ついた、と読んでもいいと思うが、「漢字に戻り始める」という措辞に外見上以外のものを感じるのよね。
 ただ、どちらに読んでも、ひらがなから漢字へ戻るということと夕立という要素から、暑さとだらしなさというものを感じさせるところがうまいなぁ、と思う。しかも、漢の字はおとことも読むわけで、さらにうまいなぁと思ったのだった。

 もう一つは正反対の歌。

勤務時は漢字の自分保ちつつ五時を過ぎればひらがなになる
きじとら猫 (きじとら小部屋)

 こちらはあきらかにOLさんですね。きじとら猫さんは女性のようなので、男と女で捉え方が違うんだなぁと思った。
 営業マンと違って勤務中=社内ということだから、世間向けの顔をしている、という点では「漢字の自分」の意味合いは笹井さんの歌と同じだが、退社後はひらがなになる女は会社以外の世間とはひらがなで付き合う、という点が男とちがうところで、面白いなぁと思った。

以下、お気楽選歌
作者名(作者ブログ名) 敬称略


西中眞二郎 (しなやかに、したたかに、無責任に・・・西中眞二郎雑記帳)
ひらがなの市名町名増えたれば賀状の宛名筆に馴染まず

はこべ (梅の咲くころから)
降るときはさくらさくらとひらがなで川の流れにふたりの肩に

小早川忠義 (ただよし)
ひらがなの「す」を両端から引き伸ばし君への思ひ言はずにゐたり

五十嵐きよみ (99本の薔薇の花束)
本当に言いたいことは言えぬこと棘もつ言葉をひらがなにする

富田林薫 (カツオくんは永遠の小学生。)
ひらがなの栞をはさむ突きすすむ漢字のような人のページに

白辺いづみ (Iduming☆World)
朝風呂の窓うつくしく頭から水にほどけてひらがなになる

橘 こよみ (aglio-e-olio)
黒薔薇に矛盾を撒いて育てればひらがなとしてほころんでゆく

百田きりん (きりんメモ)
ほめことばだったと思う ひらがなの る には一生似ているつもり

ワンコ山田 (歩道を走る自転車のこども)
手のひらがなみだを全部散らすまで「まあだだよ」って何度も何度も

寺田 ゆたか ( “たまゆらのいのち”)
掌(てのひら)に指もて書きし「さよなら」のひらがな文字の淡きぬくもり

里坂季夜 (コトノハオウコク)
こみいった話になるとひらがなの返事しかせぬ彼の処世術

兎六 (一人暮らしの日記)
雨の夜の部屋に沁みこむ涼風とひらがなで鳴くこおろぎのこえ

水野彗星 (彗星不動産)
ひらがなでかいたゆめです 追わないで かなわなくても漢字にしないで

2010/06/23  | trackback(0) | comment(0)


Comment

Comment?





Trackback

URL : http://raquta.blog73.fc2.com/tb.php/603-dbcece67

ご案内

・(承前) 選り好み・前置き
作者も読者もコメント大歓迎。
何しろ周回遅れの鑑賞ですので、古いエントリでもご遠慮なく。

カテゴリ
2014 題詠百首 (102)
・2014 一首選一覧 (1)
・2014 題読選り好み (101)
2013 題詠百首 (103)
・2013 一首選一覧 (1)
・2013 題読選り好み (100)
2012 (0)
・2012 一首選一覧 (1)
・2012 題読選り好み (100)
2011 邪道七七 (100)
・2011 一首選一覧 (1)
・2011 題読選り好み (100)
2010 題詠百首 (102)
・ 2010 一首選一覧 (1)
・ 2010 題読選り好み (100)
2009 題詠百首 (102)
・ 2009 一首選一覧 (1)
・ 2009 題読選り好み (100)
2008 題詠百首 (102)
・ 2008 一首選一覧 (1)
・ 2008 題読選り好み (100)
2007 題詠百首 (37)
・ 2007 一首選一覧 (1)
・ 2007 題読選り好み (101)
2006 題詠百首 (102)
・ 2006 一首選一覧 (1)
・ 2006 題読選り好み (101)
楽屋話 (24)
くもの巣 (16)
からだから短歌 (5)
コメント
トラックバック
リンク
プロフィール

お気楽堂

Author:お気楽堂
のんびり行こう

御用の節はご利用ください。
メールフォーム

ご訪問ありがとうございます
以前の記事


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。