らくだはお気楽
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052:あこがれ より

あこがれがあまりに遠くある夜は風の浅瀬につばさをたたむ
笹井宏之 (【温帯空虚】)

 詩人・笹井宏之の本領発揮、という感じの歌である。
 詩人の心はつばさ持て自由に飛ぶのだ。けれど、さすがにめざす先(ここでは「あこがれ」)が遠く感じたので休むことにした、その場所が「風の浅瀬」。美しい!休む、のではなく「つばさをたたむ」、美しい!
 「風の浅瀬」という言い方は印象的だが、「あこがれ」めざして飛んでいたあいだは向かい風が強かったのかもしれない。だから思ったより遠く感じたということかも。
 でも、強い風をよけてしばし休んだ後は、また自由自在に飛翔するんだなぁ、と思う歌である。
 
 (もちろん、笹井さんがすでに亡くなられたことは知っているが、2007年の題詠終了時はご存命だったので、そのつもりで鑑賞させていただく。)

以下、お気楽選歌
作者名(作者ブログ名) 敬称略


智理北杜 (智理北杜)
「あこがれ」の帆を打つ風はあたたかく集う笑顔も波も輝く

此花壱悟 (此花帖)
あこがれの風狂紳士煤に塗れディック・ヴァン・ダイク霧中に独り

本田鈴雨 (鈴雨日記)
ひかり降るうた詠むひとにあこがれて草のひなたへ踏みいだしかな

磯野カヅオ (その時の主人公の気持ちを三十一文字で述べよ。)
今晩のあこがれはこのスーパーで夕方過ぎに値引きもされず

天国ななお (お月様は許さない)
あこがれを高嶺の花と言い換えて登山装備で挑む 遭難

村本希理子 (きりころじっく2)
足首を濡らしつづけるあこがれの残滓の如くあはだつみづは

小籠良夜 (《冥の逸脱》)
此の星に戯(そば)ふる雨よあこがれの其の先にある真空地帯

寺田 ゆたか ( “たまゆらのいのち”)
『あこがれのパリへ』などとふ広告が紙面にあふれ夏休み来る

素人屋 (素人屋雑貨店)
幼い日祖母と通った新富湯 あこがれだった「森永マミー」

わたつみいさな。 (乱切りくじら)
あこがれを食べては生きて行けなくて夢喰い獏に嫉妬する朝

こはく (プラシーボ)
雨音がもの足りなくてあこがれに続くことばがさまよっている

今泉洋子 (sironeko)
あこがれに肖(に)てはるかなり水無月に散りし歌人の言葉の魔術

砺波湊 (トナミミナト2007)
ロケットは情熱のため気球ならあこがれにより空を飛ぶのだ

平岡ゆめ (le petit cahier)
稜線が青く見えたり彼方とはあこがれ止まぬ場所としてある

2010/05/01  | trackback(0) | comment(0)


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