らくだはお気楽
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042:海 より

いつか船は出てゆくだろう いまきみがクレヨンでかく海の向こうへ
野樹かずみ (告げ忘れたこと)

 母の目は、いま目の前で絵を描いている子供を見ながらその先の未来を見ている。まだまだ小さい子は一度見ただけの(あるいはテレビでしか見たことのない)海を思い出しながらクレヨンで画用紙を塗る。
 無邪気な子供には海は海でしかないが、母がその海に見るのは、子供がやがて船出する未来。荒波も来よう。先のことを考えれば心配にもなるが、今のところはまだ、幼いわが子を手の中で守ってやれる。慈愛のまなざしである。
 母がすでに子離れしているところがすばらしい。その分、少しさびしい歌である。

以下、お気楽選歌
作者名(作者ブログ名) 敬称略


西中眞二郎  (しなやかに、したたかに、無責任に・・・西中眞二郎雑記帳)
機にあれば冬雲白く広がりて雲海にまた雲の影あり

暮夜 宴 (青い蝶)
さよならを風にちぎれば海鳥のこえが悲鳴にきこえる夜更け

富田林薫 (カツオくんは永遠の小学生。)
うっすらとひざしのあたるほんだなに海でもらった貝をならべる

五十嵐きよみ (99本の薔薇の花束)
この海を越えてゆけるか鳥かごの鳥でしかないこころを放つ

ぱぴこ (テクテク)
あの人の望むようには生きられぬ体をもてあまして目指す海

花夢 (花夢)
前世から焦がれた海をあのひとのからだのうちに見つけてしまう

佐原みつる (あるいは歌をうたうのだろう)
海へ行く列車の窓にまだ少し迷いの見える横顔がある

小籠良夜 (《冥の逸脱》)
貴方から奪ひしものは石ひとつ身捨つる海もなき砂の星

わたつみいさな。 (乱切りくじら)
もう海に君はいませんもう海に僕もいません泣いたりしない

橋都まこと (笑ってどこでもサヴァイヴァル)
夜明け前 薄闇色の風からは「海へ、海へ」と呼ぶ声がする

近藤かすみ (気まぐれ徒然かすみ草)
いくたびも死んでふたたび蘇へる夜さり若狭の海へ漕ぎ出す

笹井宏之 (【温帯空虚】)
海沿いの小さな町を吹いている一陣のあなたに会いにゆく

2010/03/29  | trackback(0) | comment(0)


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