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094:流行 より

category: 題詠選り好み2006
急行と各駅のあと流行が三番線を通過していく
中野玉子 (薔薇がなくちゃ生きていけない)

 あらー、通過しちゃうのね。
 でもなんか分かる、その感じ。自分のいる駅(位置)には止まってくれなくて目の前をただ通過していく「流行」。まぁ、のんびり各停で行くからいいや、とは思っていても、毎度毎度ただ通過されるのはちょっとかなしいかも。流行の前に発車している各停もどこかで追い越されるのかと思うとなおやるせない。
 別に流行に乗りたいわけじゃないんだけどね。っていうと強がりに聞こえるか。乗らないのか乗れないのか、そこらへんを「通過」で上手く表現していると思う。

以下、お気楽選歌
作者名(作者ブログ名) 敬称略

春畑 茜 (アールグレイ日和)
流行るとは儚きものをデパートに小妖精(エルフ)の服のごときがならぶ

飛鳥川いるか (しぐなすの短歌感電ノート)
くれなゐの山本リンダ舞ひ狂ふ濃かりけり昭和の流行歌

松本響 (春色ぶれす SIDE-D)
流行の服は透明人間になれる機能が備わっている

小籠良夜 (DARKSIDE OF THE MOON)
なだれ込む闇の瘴気に咽せながら流行り病の兆す紅斑

富田林薫 (カツオくんはかもめ第三小学校5年3組&『まぐろ袋ブログ』)
だいたいはやさしい人です 時として流行おくれの帽子もかぶる

橋都まこと (笑って東京サヴァイヴァル)
流行の服で装備を固め終え都会の波を乗り切る少女

癒々 (Romantic irony)
さみしいようさみしいようとうたうのが近ごろの流行りなのです ゆるして

近藤かすみ  (気まぐれ徒然かすみ草)
私たちこんな言葉を生きてきた渦巻く『新語死語流行語』 (大塚明子/注解 イミダス編集部/編 集英社新書)

我妻俊樹 (喜劇 眼の前旅館)
流行ってもひかずに終る風邪があり二列にならんで待つ熱海行き

佐田やよい (言の波紋)
流行の種を探しに旅立って半世紀たつカリスマ庭師

にしまき (びおん書局 ※にしまき※)
流行がやっと自分に追いついたあっという間に置いていかれた

2008/12/21 Sun | edit? | trackback(0) | comment(0)


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