らくだはお気楽
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090:匂 より

路地裏の秋刀魚の匂い町じゅうに知ることのない日常がある
ぱぴこ (テクテク)

 非常に馴染みのある匂いとさめた目線というコントラスト。秋刀魚の匂いと言われて分からない人はいないだろう、という「日常」な匂い。路地裏というと家も人も密集しているイメージがあり、でもちょっと自分の馴染みではないイメージもあり。
 たとえば東京タワーのように高いところから夜の街を見下ろして「灯りの数だけ人生がある」と思ったことが、誰しも一度くらいはあるんじゃなかろうか。でもそれより、夕暮れの町なかを歩いていて、匂いによって自分とは縁のない人の生活に思いを馳せる、という方がリアルというか、生きている感じがする。

以下、お気楽選歌
作者名(作者ブログ名) 敬称略

みずき (空)
宿命か亡母(はは)の箪笥の小袋が匂ふ雨夜に母の年越ゆ

ゆあるひ (ゆあるひの鍛高短歌4)
けしは咲くイチゴは実る蝶は舞う土の匂いを嗅ぎたくもなる

ざぼん (グレイト・エスケイプ!)
燃え尽きた花火の匂いさせながら夕餉の糧をどこで買おうか

小早川忠義 (ただよし)
少年は男とならむ吸ひ差しの煙草の匂ひゆるくまとひて

やすまる (やすまる)
まんなかにうまれたねつをすくいとり匂い袋にしてぬいつける

ふしょー (DEATH IS A LONELY BUSINESS)
あなたから海の匂いがする夜は枕を抱いて一人で寝ます

五十嵐きよみ (ドン・ジョヴァンニはアリアを歌わない)
否、これが父からの罰 憎しみも愛も奪われ死が匂うのみ

おとくにすぎな (すぎな野原をあるいてゆけば)
本棚のなかで植物図鑑だけ(ラフレシア・雨)ちがう匂いだ

ワンコ山田 (歩道を走る自転車のこども)
凶暴で哀しき秋の捕らえ方しとめた後の火薬の匂い

佐原みつる (あるいは歌をうたうのだろう)
ゴミ箱に放り込まれる珈琲缶 雪の匂いの満ちている午後

水須ゆき子 (ぽっぽぶろぐ)
図書館の黴の匂いを吸い込んで禁帯出の地図が爆ぜるよ

睡蓮。 (睡蓮。の隠れ家ブログ)
思い出はふとしたことで蘇る例えば空港ロビーの匂い

透明 (limerence)
すれ違う人の匂いに振り返り振り返られて運命となる

近藤かすみ (気まぐれ徒然かすみ草)
日の暮れのあの『家の匂い町の音』路地でむかしの私が遊ぶ(久世光彦 主婦の友社)

中野玉子 (薔薇がなくちゃ生きていけない)
カーボンの匂い懐かし現文をさぼった先の生徒会室

2008/11/21  | trackback(0) | comment(0)


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