らくだはお気楽
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081:硝子 より

体内で砕いた硝子が突き破る やわらかいのは世界の方だ
内田誠 (その言葉の行方)

 「やわらかいのは世界の方だ」――剛速球のストライク。うん、変化球じゃない。
 世界の方が傷ついてしまうというのはすごいな。「体内で砕いた硝子」というのは、自分の中で壊れた何か(心とか?)というより、爆発するように飛び出した言葉、という気がした。鋭い言葉はよくナイフに喩えられるが、砕いた硝子の方が純粋な感じがする。砕かないまま、すべすべした硝子の形で出せれば美しいと分かっているのに、砕いてしまう、あるいは出そうとすると砕けてしまう、そんな風に読んだ。
 したり顔で「素直じゃないんだから」などと言ってはいけない。真っ正直だからこそなのだ。
 世知辛い大人になってしまったら絶対詠めない歌だなぁ。

以下、お気楽選歌
作者名(作者ブログ名) 敬称略

西中眞二郎 (しなやかに、したたかに、無責任に・・・西中眞二郎雑記帳)
歳末の大掃除らし日を受けて窓硝子拭く若き人あり

新津康 (NOTHING WORKS)
風が硝子窓を叩く。あの人の行方なら知らせなくてもいい。...

ゆあるひ (ゆあるひの鍛高短歌4)
捜すのは大変だよとうな垂れて硝子の靴をただ待っている

帯一 鐘信 (361℃)
どろどろに溶かして二度と割れぬよう再生中の硝子のハート

なまねこ (路地裏稼業)
とじこめた蝶を放してそのかわり嘘ひとつ入れる硝子瓶かな

振戸りく (夢のまた夢)
粉々になった硝子を拾ってもバカラに戻す呪文はなくて

野良ゆうき (野良犬的)
ひんやりともろきカタチに固められ熱を失う硝子の子供

岩井聡 (North Marine Drive)
落魄のわけを硝子に書きかけてそのあやふやに歪む新宿

市川周 (ミルミルを飲みながら)
こなごなの硝子のうえを素足もてわたれば君は係長補佐

わたつみいさな。 (乱切りくじら)
硝子なら砕け散るとき傷つけることもできるし。ついてこないで

まほし (うた・たね)
てのひらで硝子の鳥をあたためて飛ぼうと誓う蒼い夜明けに

ゆづ (透明ランドセル)
幸福なままでいられるわけはなくいつか硝子の靴も砕ける

近藤かすみ (気まぐれ徒然かすみ草)
『硝子戸の中』に漱石全集が鎮座してゐる古書店の闇(夏目漱石 新潮文庫)

星川郁乃 (Air Station)
もしかして泣いてたでしょうテディ・ベア 硝子釦の瞳をぬぐう

2008/03/05  | trackback(0) | comment(2)


Comment

内田さんのこの作品もいいですねぇ。
こうやって取り上げてもらうと、自分が通り過ぎてしまった作品のよさもわかって嬉しいです。

81首ですねー。
あともう少しです!頑張ってください!
花夢 URL | 2008.03.13 | edit?
いつもありがとうございます。
私も、自分が一首選を出した後で花夢さんの鑑賞を読むと、ああ~と思うこと多々あります^^;
もう少しだ……
その後は2007だ………(遠い目)
お気楽堂 URL | 2008.03.16 | edit?

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