らくだはお気楽
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057:鏡 より

ながいことつきのひかりをあびたためからだがとても鏡のようだ
笹井宏之 (【些細】)

 とてもなめらかなのに冷たい肌を連想させる歌。
 「ながいことつきのひかりをあび」るのはあまりよくないこととする言い伝えもあったと思うが、月の神秘の力を得るという考え方や、月と密接な関わりを持つ女性の体にはプラスになるという美容法もあるようだ。
 そういう観点から読むと、主体が男か女かで意味合いが変わってくる。作者の笹井さんは男性だが、主体が男性とは限らない。――でもやっぱり、男性という感じがする。つまり「鏡のようだ」というのはよくない影響を受けた結果ということになる……

 というような解釈なんぞ、実はいらない歌なのだ。人それぞれの解釈で読んでも、美しい何かは確実に感じるのだ。それが詩なのだ! 鏡以外はひらがなというのも、笹井さんの場合、テクニックではなく本能のなせる業と思えてしまう。

以下、お気楽選歌
作者名(作者ブログ名) 敬称略

しゃっくり (春雨じゃ)
化粧する鏡の前にオカメ来て吾より巧く口笛吹きぬ

aruka (外灯都市)
あの部屋の鏡の中に海がある あの子はそこで溺れたらしい

飯田篤史 (ひこうき雲)
ぼくたちの鏡のなかのやさしくてやさしいだけの街にふる花

謎彦 (ジャポン玉)
三角縁神獣鏡にほのうかぶ四メガバイトほどの王権

原田 町 (カトレア日記)
手鏡の奥にアリスは頬笑んで駅階段の一瞬に酔う

野良ゆうき (野良犬的)
ありふれた悲しみさえもそのままに映してしまう律儀な鏡

夜さり (夕さり夜さり)
三十八度の北緯の線に巨大なる鏡を置かう兄(ヒョン)はどちらだ

ふしょー (DEATH IS A LONELY BUSINESS)
八枚も猫を被ってまだ足りず反射素材で鏡面仕上げ

五十嵐きよみ (ドン・ジョヴァンニはアリアを歌わない)
口紅をなおすふりして手鏡に映すあなたと若いこいびと

みなとけいじ (海馬)
照鏡正対すれば見えやせぬ背中に久しアフリカの角

飛鳥川いるか (しぐなすの短歌感電ノート)
アレグロでのぼれる月の鏡なす三ツ矢サイダーしゅびどぅびしゅわん

振戸りく (夢のまた夢)
物持ちのよい母親の鏡台に染みこんでいる大島椿

ぱぴこ (テクテク)
憂鬱を誤魔化すだけの薄化粧もう長いこと拭かない鏡

ひぐらしひなつ (エデンの廃園)
髪結えば鏡の底に沈められ滅びきれない夜のいくつか

癒々 (Romantic irony)
無機質な鏡と鏡に挟まれて無限に続く私の羅列

瀧村小奈生 (陽だまりのふちっこで)
ふりむけばほんとうになるサヨナラは鏡のなかで右手をあげる...

2007/11/02  | trackback(0) | comment(0)


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