らくだはお気楽
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054:虫 より

弱虫をずっと飼ってる虫籠のなかにときどき生餌を放る
島田久輔 (裏庭のきりぎりす)

 「生餌を放る」という言い方がひどく痛々しい。
 弱虫にやる生餌って何だろう? 自分が飼っている弱虫、つまり、自分で自分の弱い部分を甘やかしているわけだから、うーん、なんだろう? 手頃な言い訳、同類のなぐさめ……抽象しか浮かばない。それに理屈っぽいなぁ。
 弱虫の自分を外側から見ているもう一人の自分がいて、その弱虫はニートみたいに引きこもっているから、仕方なくご飯なんぞたまにくれてやる、かといって、もう一人の自分が完全無欠の強い人間なわけではないから、弱虫みたいに引きこもれたら楽なのにと思ったりする……
 誰しも弱い部分を内側に隠して生きているわけです。勝手に納得。(相変わらず読みもダメダメ……)

以下、お好み選歌
作者名(作者ブログ名) 敬称略
みずき (空)
火の虫へペーパーナイフが刺せぬ ああ我も紙面を這ひし一匹

謎彦 (ジャポン玉)
念入りに防腐ほどこす虫之部の絶滅危惧字一一〇〇あまり

かっぱ (きゅーりをこのむ)
すぐそばに帰れる場所がある自由 でんでん虫はゆっくり歩く

暮夜 宴 (青い蝶)
弱虫は棘で武装をするのです海胆とか栗とか暮夜宴とか

ハナ (象の求愛ダンス)
寂しいというのはいつも言い訳で僕はどこかに虫を飼ってる

夜さり (夕さり夜さり)
言葉尻喰らひつかれて百年目 虫酸が走る<ハエ亜目 蝿>

五十嵐きよみ (ドン・ジョヴァンニはアリアを歌わない)
やわらかに指を沈めて虫ピンを骸(むくろ)に深く刺し入れてゆく

松本響 (春色ぶれす SIDE-D)
虫食いの四字熟語には鬼という文字が入るともののけが言う

末松さくや (旅人の空(待ち人の雪別館))
虫眼鏡割られた夜は実測のきみとの距離を知る前に寝る

里坂季夜 (コトノハオウコク)
音もなくてんとう虫の背は割れてさよならまるい妄想宇宙

瀧口康嗣 (可燃性連鎖)
ネクタイを虫取り網ですくったら花火で焼いて夏を終えよう

橋都まこと (笑って東京サヴァイヴァル)
眠れない尺取虫がエヴェレスト登山を始める午後11時

大辻隆弘 (大辻隆弘 題詠100首のために)
天道虫を指のさきまで歩ませて空の深みをあこがれてゐる

春村蓬 (風見鶏)
一生を虫の時間で歩く蟻 人の時間にわれは佇む

中野玉子 (薔薇がなくちゃ生きていけない)
サミシイとうなる羽虫がぷちぷちとわいて出てくる携帯ボタン

2007/10/26  | trackback(0) | comment(0)


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