らくだはお気楽
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041:こだま より

さよならのこだまが消えてしまうころあなたのなかを落ちる海鳥
笹井宏之 (【些細】)

 なんとも言えず好き。すーっとしたリズムでうっかり読み過ごしてしまいそうな上の句の後に、どきっとする下の句。笹井さんは詩人だなぁ。
 別れた人の心の中にいつまでも存在したいと思う人もいるかもしれないが、普通はまぁ、フェードアウトしていくものだと思う、お互いに。上の句はそういう時間の経過を含んでいるから、海鳥が落ちるというのは「あなた」の中から自分の存在が消えてしまうということなんだろう。淡々と詠んでいるが「落ちる海鳥」は結構胸に来る。「こだまが消えて」しまっても自分の中では忘れられないという含みを感じるからかな。
 いやー、静かに印象に残る歌だ。

以下、お好み選歌
作者名(作者ブログ名) 敬称略

船坂圭之介 (kei\'s anex room)
遠山に呼べど還らぬ声を遣り虚なるこだまをわが待ちて居り

しゃっくり (春雨じゃ)
凱旋車爆音の歌こだまして昼寝の夢を続編にする

まつしま (心の空)
出て行って戻っただけのことなのに「こだま」は清き余韻なのです

中村成志 (はいほー通信 短歌編)
新月の波に珊瑚の骨が揺れこだまに満ちる西の洞穴(どうけつ)

花夢 (花夢)
地下道にこだましている歌声と同じリズムで揺れるピアスで

ドール (花物語)
幾たびもこだまのかえる場所に立ち叫んでみたき言葉のありき

おとくにすぎな (すぎな野原をあるいてゆけば)
行ったきりになどなれない場所へゆくこだまの窓にもたれたままで

KARI-RING (ほとりほとりと藍色の海)
人間の言葉がかえってくるならばこだまでもいいベッドに突っ伏す

萱野芙蓉 (Willow Pillow)
問ひたれば問ひのままにてかへり来るこだまは固き皮膜を持てり

くろ (鎌倉日記)
停電の暗道(くらみち)にひびく靴音のこだまはうしろの正面で消ゆ

里坂季夜 (コトノハオウコク)
こだまではなかったぼくの声だった冥王星にはなんにもなくて

村本希理子 (きりころじっく)
囁いた秘密がきつとこだましてゐる冷蔵庫 誰も開けるな

なまねこ (路地裏稼業)
バスルームに鉄腕アトムこだまする今日の気分は北京語バージョン

ことら (ことらのことのは)
水面(みなも)なる月を掬って飲み干せば こだまになりて森に還らむ

田丸まひる (ほおずり練習帳。)
汗ばんでゆくくぼみからあふれ出すわたしの中のあなたのこだま

瀧口康嗣 (可燃性連鎖)
不愉快がこだましながら強くなり席を立つ まだ惑星にいる

橋都まこと (笑って東京サヴァイヴァル)
やり場ない憎しみだけを空井戸に蹴って落としてこだまを聴こう

星川郁乃  (Air Station)
ほらだれも叫びもせずにゆくでしょうそこはこだまの返らない場所

香山凛志 (東京パピヨン)
ビル街に思い出ばかりこだましてもう帰れないことだけ冴える

2007/05/20  | trackback(0) | comment(2)


Comment

ありがとうございます。
お気楽堂さんの鑑賞、とても好きなので、続けてくれて嬉しいです。

ホームページのほうもこっそりお邪魔したりしています。
お気楽堂さんの詩、好きです。
「10年」という詩、とても好きです。
花夢 URL | 2007.05.21 | edit?
こちらこそありがとうございます。
題詠も鑑賞ももっとペースアップしたいと思いつつ、最近スイッチが入りません……^^;秋には2007の鑑賞を始めたいので、それまでには、と思っております。(←また延びている^^;)

ホームページもまたほったらかしで、お恥しい^^;
自由律詩はもう諦めたので、これ以上増えませんが、「好き」と言っていただけるととてもうれしいです。ありがとうございます。
お気楽堂 URL | 2007.05.22 | edit?

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