らくだはお気楽
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038:灯 より

灯台の伸びあがる午後すこやかにわれは夏へと気化しはじめる
萱野芙蓉 (Willow Pillow)

 灯だけにどうしても夕暮れや夜の闇を詠うことになる、そんな中でこの歌は明るくてはつらつとして元気になる気がした。
 液体が気化すると姿が見えなくなるが、この歌で気化するのは「われ」の体ではなく気持ちだろう。夏の大らかな大気に同化していく、それは心が開放されるということだ。「灯台の伸びあがる午後」というのもなんとも大らかな感じを受ける。
 或いは、灯台も伸びあがるくらい暑い夏で、「われ」は汗だくでうだっているのを気化すると詠んだのかも、とも思ったが、「すこやか」なんだからやっぱり開放されているのだ。

以下、お好み選歌
作者名(作者ブログ名) 敬称略

船坂圭之介 (kei\'s anex room)
一途なるひとの想ひにたじろぎてただ置きて去る街の灯の下

しゃっくり (春雨じゃ)
灯を消せば悪戯オカメの静まりて朧月夜の温き闇かな

かっぱ (きゅーりをこのむ)
スナックとジュースと懐中電灯と秘密基地への通行証と

本原隆 (それについて)
震災の記念式典 ロウソクの灯は憶えてる きれいだったな

花夢 (花夢)
街灯に見つかっている罪悪とひとの弱さに容赦ない冬

水須ゆき子 (ぽっぽぶろぐ)
誰(た)がわれを呼ぶか呼ぶかと野ざらしの誘蛾灯へと闇なだれ落つ

野良ゆうき (野良犬的)
街の灯がともりはじめる頃すこし寂しくなってふくハーモニカ

飛鳥川いるか (しぐなすの短歌感電ノート)
春灯のほろとこぼるる先斗町眉なきをとこが猫をかぞふる

ことら (ことらのことのは)
さりさりと貴方の骨を噛みながら蒼い灯(ともしび)みたいに泣いた

舞姫 (Thirty One 題詠100首置き場)
灯火は畏怖 灯火は道しるべ 灯火は謎 ともしびはきみ

びっきい (チョキで殴るぞ!)
水銀灯の下で話そうじっくりと メチルとエチルの違いについて

佐原みつる(あるいは歌をうたうのだろう)
電灯の紐を引かれてしまうから考えるひまなんてなかった

市川周 (ミルミルを飲みながら)
灯台の下(もと)は暗いねどこまでが君の分母かわからなくなる

にしまき (びおん書局 ※にしまき※)
街の灯をただひたすらに蹴飛ばしてなかったことにしたクリスマス

たざわよしなお (世界を翻訳するための試み)
「ともだちとして飲んだ夜」の街の灯は、月より明るく終電車出る

ひぐらしひなつ (エデンの廃園)
すべてもう海へと還る。灯台に身を打ちつけた鳥の骸も

わたつみいさな。 (乱切りくじら)
無理やりに灯しておこうもしかして誰かがここに 誰カガココニ

あめあがり (あおいかいだん)
この胸にともりたる灯のみなもとを知りし後には幸か不幸か

新藤伊織 (月が堕ちるころ)
街灯にとじこめられた虫たちは名すら知られず過呼吸になる

瀧村小奈生 (陽だまりのふちっこで)
ここだけがこんなに暗いすぐそこに町の灯りがあんなにあって

2007/02/14  | trackback(0) | comment(0)


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