らくだはお気楽
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033:鍵 より

鍵を開ける呪文などなし進むにはおのが力でこじ開けるべし
千 (Mille et une nuits)

 このお題も一首選にかなり迷ったが、力強い前向きなこの歌に決定。
 夢見る頃は、白馬の王子様とか運命の赤い糸とか、有り得ないと知りつつ夢見ていた。それは幼さではなく横着な他力本願なのだと今ならちゃんと理解できる。白馬の王子様はいない訳ではない、が、努力もしない奴の処には現れないのだ。
 人生困った時に「ひらけごま」が通用するなら誰も苦労はしない。これだけ頑張ってもまだ足りないのか、というくらい努力している人は一杯いるはずだ。
 どんな困難も、先ず己が怯むことなく果敢に立ち向かっていくべし! きっと作者も自分に言い聞かせるようにこの歌を詠んだのだと思う。

以下、お好み選歌
作者名(作者ブログ名) 敬称略

かっぱ (きゅーりをこのむ)
閉じこもり過ぎてしまった暗闇が正しい鍵もまわさないのだ

五十嵐きよみ (ドン・ジョヴァンニはアリアを歌わない)
ひとつずつ女性の名前を鍵盤に与えてあなたが弾くセレナーデ

原田 町 (カトレア日記)
鍵なんぞかけたことねえ婆ちゃんの長閑な春は夢のまた夢

松本響 (春色ぶれす SIDE-D)
どの部屋も鍵のかたちは同じだと気づかないまま扉をあける

ことら (ことらのことのは)
ゆるゆると解かれてゆくわたくしの骨から鍵を拾い出す人

富田林薫 (カツオくんはかもめ第三小学校5年3組&『まぐろ袋ブログ』)
さよならはポストの中の鍵を見てそういうことかとわかる夕暮れ

村上きわみ (北緯43度)
あなたまでゆくのか春の鍵盤に淡い指紋を残したままで

魚虎 (脳内に散らばり在りし言の端をDJ的感覚で編む棄てるダム)
手をつなぐふたりの影よ 鍵をかけ忘れた夏に帽子は空へ

舞姫 (Thirty One 題詠100首置き場)
シリンダーに鍵をさしこむ行為すら官能的になる朝帰り

砺波湊 (となみ☆みなと)
錆びついた鍵てのひらに転がせば 微かに音が“―― Please access ”

岩井聡 (North Marine Drive)
潮騒をあつめて鍵は鍵穴に人妻の背は鏡の夜に

ひぐらしひなつ (エデンの廃園)
真鍮の鍵を回せば野の果てに鳴る廃校のグランドピアノ

萌香 (空の青さをみつめていても)
鍵なんて無くて良かったこじあけて包んでくれる両手があれば

遠藤しなもん (忘れちゃった。)
屋上の鍵を盗んでわたしたちこれから( )のはなしをしよう

浅井あばり (ギンガムクロス)
夏みかん剥き終えるとき鍵束を鳴らして午後の青年が去る

大辻隆弘 (大辻隆弘 題詠100首のために)
鍵穴といふ暗がりにひとすぢの光を挿して開かむとしき

ベティ (Betty's second Bar)
鍵穴が凍ってしまう雪の日は銀のZippoをポケットに入れ

中野玉子 (薔薇がなくちゃ生きていけない)
やんわりと私の指を拒絶する背中開けたい 鍵穴はどこ?

文月万里 (Kagerou つれづれ)
合鍵はひとつしかない誰に預けても預けなくても生きてはいける

2006/12/21  | trackback(0) | comment(2)


Comment

白馬の王子様はいない訳ではない。
という言葉に、オォゥ!となりました。
カッコイイです。
ピンで刺して留めておきます。心に。

お気楽堂さんの選歌を読みながら、私はかなり読みこぼしてるなぁ。とも思いつつ、しみじみと歌の世界を堪能させていただきました。
また、楽しみにしていますね~
花夢 URL | 2006.12.21 | edit?
うれしいお言葉、ありがとうございまーす!

とんでもないですよ、最近は花夢さんのコメントに私も「しまった」とか「そうか」とか「うんうん」とか……
数が多い中から選ぶ時点で、第一印象がピッとこなかったら縁がなかったと諦める事にしています。選歌の基準みたいなものも自分の中でどんどん変わっている自覚があるので、うんと前のお題も今だったら違う歌を選んでいるかも、とも思いますし。

花夢さんの背中が中々近づいてきません^^;
ふぁいとー!
お気楽堂 URL | 2006.12.22 | edit?

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