らくだはお気楽
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047:ふるさと より

この町を出た友(ひと)の言う「ふるさと」はやわらかき音しており 夕べ
ゆら (ことのはじっこ)

 「出た」方としてはどきっとする歌。
 生まれ育った町に住み続けている人はその町を格別にふるさととは呼ばないわけで。
 出て行ったからこそのノスタルジアというわけだ。
 「やわらかき音しており」には、もはや同じ町の空気を吸ってはいない友を遠く感じている哀しみと、自分はここを出ていけないのだという妬みのようなものと、都合のいい時だけふるさとを利用してと責めるような気持ちと、そんなもろもろ複雑な心理を感じた。
 そして一字空けの余韻と「夕べ」、そういうもろもろの心理を咎めるでもなく、ぼんやりあいまいに包み込む空気感が切ない。

以下、お気楽選歌
作者名(作者ブログ名) 敬称略


こはぎ (こはぎうた)
ふるさとと呼ぶ違和感を面影も潰えた街で噛む昼下がり

円 (つきのこども/あぶく。)
「ふるさと」は柔らか過ぎて似合わぬとそっと箪笥に隠す東京

(七十路ばばの独り言)
ふるさとは遠きにありて思うもの思う人さえ絶えて廃屋

音波 (短歌のなぎさ)
ふるさとの匂いが嫌い写真館にまだ飾ってる写真も嫌い

黒崎立体 (re)
ふるさとの訛りにくらし駅ちかく並んだチャリをドミノに倒す

はぼき (***短歌の六歌亭***)
ただいまと靴を脱ぐ場所もはやなくチェックインするふるさとの夜

桑原憂太郎 (憂太郎の短歌Blog)
こんな空あんな風景万人のステレオタイプのふるさとを売る

村田馨 (私選 日本の百の名橋)
ふるさとのかわらぬすがたありがたしこおろぎ橋にもみじひとひら

杜崎アオ (箱庭にびいだまを植えました。)
ふるさとになりたい今日はわたくしの海岸線のことなど話す

南葦太 (瞬間移動する蝸牛)
ふるさとの風を忘れた子狐のだるいエントロピーのかたまり

新藤ゆゆ (ゆゆとぴあ。)
ふるさとの空気を抱いた小包が未開封のまま眠るキッチン

久哲 (久哲の適当緑化計画。)
ふるさとで買っても常に北を指す方位磁石がとても冷たい

2013/09/29  | trackback(0) | comment(0)


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