らくだはお気楽
FC2BlogAdminRss1.0b

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

--/--/--  


077:狂 より

其はまるで恋にも似たり吾が胸の触れ得ぬ箇所へ点る狂気は
水風抱月 (朧月夜に風の吹く。)

 主体は、冷静に「吾が胸の触れ得ぬ箇所へ点る狂気」を見ている。今現在狂っているとは思えないが、いつ狂ってしまうか分からない、狂気の発芽を見ている。
 狂ってしまったらもう理性は通用しない、そこら辺が「恋にも似たり」と言えるだろうか。

 誰しも、何かを強く請い願い、でも叶えられない、ということはあるわけで、でも誰もが狂気を身内に点すとは限らなくて。
 狂気に至る境目って何処なんだろう。その、一歩を踏み越えてしまうからこその狂気。

 一読した時は、恋の果てが狂気では?と思った。たとえば六条御息所。その場合は、恋に似ているのではなく、もともと恋だったもの。
 この歌の場合は恋情の果てではないようだ。でも、何に対する狂気かは多分どうでもいい。
 主眼は「狂気」そのものなのだと思う。

以下、お気楽選歌
作者名(作者ブログ名) 敬称略


紫苑 (紫苑がさね)
狂ほしき嵐の去りて天井の白きを空のごとくに眺む

tafots (許せないなら許さなくていい)
端末の時計がいつも狂ってて世界と同期するのに必死

酒井景二朗 (F.S.D.)
恨めしき身勝手者を忘れむと狂氣をラムに溶かす夜なり

南葦太 (「謙虚」という字を書けぬほど)
まだ君の夏の帽子は出っぱなし壁の時計は狂いっぱなし

佐藤紀子 (encantada)
音程の狂ふところも(味)となるほろ酔ひ加減のあなたの歌は

伊倉ほたる (ほたるノオト)
呆気なくリズムは狂うひとつだけ指を滑らす黒鍵がある

雑食 (題未定)
狂気とはきみのベッドの傍らに積み上げられているコンドーム

黒崎聡美 (ゆびおり短歌)
少しずつ狂う時計をそのままに(きづき、わすれて)晩秋となる

奈良絵里子 (詠んだこと)
古い絵と狂歌の載った折り紙の本を大事に携えたひと

ひぐらしひなつ (エデンの廃園)
何度目の冬か訃報の重なりて鳩時計の鳩しずかに狂う

萱野芙蓉 (Willow Pillow ?)
酔狂な生き物でした、貧相なわたしの胸で眠りたがつて

みち。 (銀塩プロローグ。)
狂ってもまた直される安物の時計みたいにがちゃがちゃされて

生田亜々子 (屏風と靴)
狂人でもういいのですもうすでに世界は液晶越しなのだから

2013/04/03  | trackback(0) | comment(0)


Comment

Comment?





Trackback

URL : http://raquta.blog73.fc2.com/tb.php/1161-1cf1966f

ご案内

・(承前) 選り好み・前置き
作者も読者もコメント大歓迎。
何しろ周回遅れの鑑賞ですので、古いエントリでもご遠慮なく。

カテゴリ
2014 題詠百首 (102)
・2014 一首選一覧 (1)
・2014 題読選り好み (101)
2013 題詠百首 (103)
・2013 一首選一覧 (1)
・2013 題読選り好み (100)
2012 (0)
・2012 一首選一覧 (1)
・2012 題読選り好み (100)
2011 邪道七七 (100)
・2011 一首選一覧 (1)
・2011 題読選り好み (100)
2010 題詠百首 (102)
・ 2010 一首選一覧 (1)
・ 2010 題読選り好み (100)
2009 題詠百首 (102)
・ 2009 一首選一覧 (1)
・ 2009 題読選り好み (100)
2008 題詠百首 (102)
・ 2008 一首選一覧 (1)
・ 2008 題読選り好み (100)
2007 題詠百首 (37)
・ 2007 一首選一覧 (1)
・ 2007 題読選り好み (101)
2006 題詠百首 (102)
・ 2006 一首選一覧 (1)
・ 2006 題読選り好み (101)
楽屋話 (24)
くもの巣 (16)
からだから短歌 (5)
コメント
トラックバック
リンク
プロフィール

お気楽堂

Author:お気楽堂
のんびり行こう

御用の節はご利用ください。
メールフォーム

ご訪問ありがとうございます
以前の記事


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。