らくだはお気楽
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一首選一覧 2006

100:題 より
みの虫  「百題」のお祭りおはり朝の日にをちこち光る蜘蛛の糸かな
099:刺 より
謎彦  天性の詩魂ならねば菱形の自己免疫に刺され放題
098:テレビ より
近藤かすみ  いつか来る『ネットがテレビを飲み込む日』人は知りたいことだけを見る
097:告白 より
星川郁乃  告白を黒糸で綴じ前を向くもう楽になどなれなくていい
096:器 より
星川郁乃  ふさわしい器はほかに見あたらず携帯メールにさみしさを盛る
095:誤 より
桑原憂太郎  誤答にもレベルのありてエンマ帳に各設問の評価を記す
094:流行 より
中野玉子  急行と各駅のあと流行が三番線を通過していく
093:落 より
謎彦  兵馬俑ならぬ吾が身のまんなかを週に一度か二度の落石
092:滑 より
ワンコ山田  ぶら下がる滑車もヤツも重すぎる「考えないものとする」はずの
091:砂糖 より
ことら  甘い嘘潜めておりぬ砂糖壺 少女の顔で二匙掬う
夜さり  90の真実10の嘘を混ぜ砂糖の毒をまぶして男
090:匂 より
ぱぴこ  路地裏の秋刀魚の匂い町じゅうに知ることのない日常がある
089:無理 より
彼方  その横に在るためならば無理じゃないハイヒールにも骨生やしゆく
088:銀 より
笹井宏之  水銀に熱のいちぶをわけながら目蓋のうらへ呼び起こす雪
087:朗読 より
謎彦  改造をはたして「冴子先生」がおれの短歌を朗読する日
086:メイド より
水須ゆき子  メイドオブボーン たしかそのへんに産み損なった子がいたんだが
085:富 より
富田林薫  膨大な富の力に病める街 わたしは画家になろうと思う
084:世紀 より
振戸りく  28世紀の人のほとんどは超能力を備えています
083:拝 より
星桔梗  正座して拝み倒して手に入れたあの日の事を忘れてないか
082:整 より
ケビン・スタイン  背表紙の高さで本を整理した君しか知らぬ「坊ちゃん」の位置
081:硝子 より
内田誠  体内で砕いた硝子が突き破る やわらかいのは世界の方だ
080:響 より
青野ことり  夕暮れを告げる鐘の音響くころ ひとりにひとつおかえりなさい
079:芽 より
みち。  ほんとうはこんなにつよい 水なんてもらえなくても芽が出るわたし
078:予想 より
富田林薫  おおかたの予想を裏切りくちびるはイスカンダルへ旅立ちました
077:針 より
花夢  うつくしい夜にかぎってレコードの針が壊れてうまく泣けない
076:あくび より
ワンコ山田  私小説書く勇気なく昼下がり犬のあくびに付き合っている
075:打 より
謎彦  「打ち首」と「獄門」ほどの違ひすら分かたぬ姪が"Terrible...!"といふ
074:水晶 より
新藤伊織  戻れないことが私を弱くして水晶という不名誉を買う
073:トランプ より
びっきい  トランプにたとえるならばスペードのエースみたいに態度がデカい
072:箱 より
原田 町  歳三が来て死んだだけ五稜郭タワーより見る箱館の町
071:老人 より
中野玉子  新しい老人ひとり増えている 鳩が増えたかどうかは知らない
070:章 より
みの虫  片陰に日章旗たるる人形町ぺろりと舌をだす地域猫
069:カフェ より
小籠良夜  長雨のカフェにコートの男来ておもむろに告ぐ「地獄焙煎…」
068:報 より
斉藤そよ  印鑑が七つ押される報告書たまに花まるつけられており
067:事務 より
おとくにすぎな  不機嫌に半音下がりFAXはあなたのいないとおい事務所へ
066:ふたり より
ドール  その先は知らない ふたりは幸福にくらしていると信じていたい
065:鳴 より
ほにゃらか  目覚ましが「朝ぞ、起きよ」と鳴るからに「春ぞ、しばし」と頼みてゐたり
064:百合 より
謎彦  さいはひの山のあなたにすむといふ百合若殿にマイミクを請ふ
063:オペラ より
animoy2  オペラへの誘い断り居酒屋でハイヒール脱ぐ見合いはやめた
062:竹 より
くろ  身のうちに毒をいだきて立つ庭の夾竹桃の間(あひ)のあをぞら
061:注射 より
わたつみいさな。  誰ひとり思いつかない最悪の注射針です抜けないんです
060:韓 より
岩井聡  あといくつ夜をくぐれば海へ出る『公募ガイド』に突っ伏す韓信
059:くちびる より
西中眞二郎  「くちびる」とひらがなで書くことだけで文字の流れのなまめきて見ゆ
謎彦  芥川也寸志の家の鉛筆がもつとも規則正しくちびる
058:抵抗 より
みなとけいじ  雨ひきつづき抵抗する者なかりけり大事なことに飯の喰ひかた
057:鏡 より
笹井宏之  ながいことつきのひかりをあびたためからだがとても鏡のようだ
056:とおせんぼ より
小籠良夜  逃げたくば逃げよどのみち帰れまいとおせんぼさる六道の辻
055:頬 より
謎彦  ひさかたの光源氏の頬髯がたつた一度の婚姻色を
054:虫 より
島田久輔  弱虫をずっと飼ってる虫籠のなかにときどき生餌を放る
053:ブログ より
野良ゆう  さみしげなブログ日記にさみしさをつなげるようなトラックバック
052:舞 より
田丸まひる  末永くしあわせになるあなたには残暑お見舞い申し上げない
遠藤しなもん  舞い戻る気なんてないし忘れ物なんてしません ではさようなら
051:しずく より
花夢  にんげんのすくえるものはかぎられていててのひらにまたひとしずく
050:萌 より
笹井宏之  ぜつぼうが萌葱色していることにどうしてだれも気づかないんだ
049:戦争 より
わたつみいさな。  ご破算で願いましては後ろ指差してください戦争反対
048:アイドル より
松本響  アイドルと呼ばれるために失った顔と名前がおもいだせない
047:辞書 より
謎彦  「不可能」をこすり破(や)りたる袖珍の辞書にこよひは「朕」ひとつ咲く
046:凍 より
富田林薫  シベリアの凍土のなかのマンモスに目覚まし時計は必要じゃない
045:コピー より
夜さり  ことのはは自由自在でいつの世も遣ひ古しで誰かのコピー
044:飛 より
まつしま  今はまだたたんだままの夢ですが飛び立つための翼あります
043:曲線 より
笹井宏之  曲線にされてしまった人たちが道にあふれているので困る
042:豆 より
水須ゆき子  にんげんの子しか産めないつまらなさ病んだかたちにうずら豆炊く
041:こだま より
笹井宏之  さよならのこだまが消えてしまうころあなたのなかを落ちる海鳥
040:道 より
佐原みつる  この道をまっすぐ行くと夏空に繋がってそう 右折しなさい
039:乙女 より
暮夜 宴  もう二度とあの日の空に戻れない乙女ごころを3文で売る
わたつみいさな。  捨てるより売ればよかったそれよりもあったかどうかのあたしの乙女
038:灯 より
萱野芙蓉  灯台の伸びあがる午後すこやかにわれは夏へと気化しはじめる
037:花びら より
透明  食べられる道草がもう解らない花びら踏んで大人になった
036:組 より
野良ゆうき  人生とがっぷり四つに組んだのよ あとは寄り切るしかないじゃない
035:株 より
内田誠  株式化された僕等の終値はしずかに夜の街に流れる
034:シャンプー より
近藤かすみ  『シャンプー』は別れた人のわすれもの使ひ切るときまた泣くだらう
033:鍵 より
千  鍵を開ける呪文などなし進むにはおのが力でこじ開けるべし
032:上海 より
謎彦  ゆくりかに総身の露をふるはせて「庁安保上海」のバス発つ
031: 寂 より
みなとけいじ  腕ひとつ忘れて帰る寂しさよこの向日葵の喚びの中に
030: 政治 より
久野はすみ  ドアゆえに人を拒まず政治家の名刺一枚はさまれている
029: 草 より
市川周  草笛で呼んだトンビに延滞のビデオをたくし真夏の午睡
028: おたく より
しゃっくり  ある日からおたくと呼んで距離を置くあなた様ではわからぬ事情
027: 嘘 より
きじとら猫  玉葱の皮むき作業するように剥がしても嘘剥がしても嘘
026: 垂 より
内田誠  わたしから垂れ流されてゆくものがどうかわたしでありますように
025: とんぼ より
浅井あばり  風吹けばとんぼの羽の薄さほど骨が剥がれて九月を告げる
024: 牛乳 より
くろ  手洗ひで牛乳石鹸ととなへれば廊下のおくのこゑ よい石鹸
023: 結 より
まゆねこ  結論をうやむやにして連れ添いし長年月が結論となる
022: レントゲン より
佐田やよい  吐きだせず身体に残る言の葉はレントゲンにて緑に光る
021: 美 より
みずき  美しき日日も翳みて八十路なる義母は狂女のうすき眉ひく
020: 信号 より
あいっち  雨降りの似合う橋なり信号の赤のことさらぼんやりとして
019: 雨 より
なまねこ  ページ繰る手から春樹を取り上げる この雨音にまぎれてしようか
018: スカート より
飛鳥川いるか  なせばなると信じてゐましたスカートの折り目正しき小娘でした
017: 医 より
橋都まこと  「ワトスン君、自分の怪我の場所くらい医者なら把握しておきたまえ」
016: せせらぎ より
黄菜子  春色に爪染めて今日せせらぎにらららと歌えばるるると流る
015: 秘密 より
富田林薫  ため込んだ秘密を全部埋めるには三日三晩は穴掘りしなきゃ
014: 刻 より
夜さり  再生は叶はぬままに消えるのだ時時刻刻とミトコンドリア
013: クリーム より
わたつみいさな。  傷つけた償いもせず傷ついたものも癒せずクリームをぬる
012: 噛 より
今泉洋子  海鼠酢をぐにやりくにやりと噛む真夜にふと甦る前世の記憶
011 からっぽ より
青野ことり  厳重に仕舞われていた真四角の箱にあふれるほどのからっぽ
010:桜 より
ねこまた@葛城  ひとり往く旅路に手向けの花あらば大和の桜その撩乱を
009:椅子 より
笹井宏之  籐椅子で私を編んでいたころの母はひじょうに文学でした
008:親 より
黄菜子  うつしみの親子一世の契り終え吾が子二十歳の骨のちひさき
007:揺 より
飯田篤史  さみしさになまえはなくて今きみの窓のむこうに揺れている花
006:自転車 より
村本希理子  翼竜の死に絶へしのち自転車は折り畳まれてロッカーにある
005:並 より
花夢  わたしではダメな理由をあいうえお順でただしく並べてほしい
謎彦  のぞみ号最先端に墨つけて型をとつたら「並」の字になる
004:キッチン より
小軌みつき  ふりだしにもどってしまうぼくたちの最後もファーストキッチンで雨
003:手紙 より
水須ゆき子  母からの手紙はいつも頼りなくみの字が泳ぐ 帰れないのよ
002:指 より
幸くみこ  ばあちゃんのひしゃげたあられのカンカンに 指ぬき、針山、ズロースのゴム
001:風 より
佐田やよい  手のひらで風花うけるホームにて発車のベルの空耳を聞く
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2006/05/28  | trackback(0) | comment(0)


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