らくだはお気楽
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一首選一覧 2007

100:終 より
野樹かずみ  なにか告げ忘れたことがあるように季節の終わりをはぐれとぶ蛍
099:茶 より
霰  赤箱のイヴ・サンローラン吸いながら明日をみていた御茶ノ水駅
098:ベッド より
詩月めぐ  ベッドから落ちないように抱きしめてくれた腕だけ戻って欲しい
097:話 より
ワンコ山田  眠れない子の寝返りで続く旅おとぎ話は夜つくられる
096:模様 より
小籠良夜  受け容るる如く彼方を仰ぎ見る冥王星の空模様かな
095:裏 より
夜さり  うつつの夢失ひたれば裏木戸を通りをんなは愛に殉ずる
094:社会 より
やすまる  社会科の教科書にいる黒船に眼鏡と髭を飾る 快晴
093:祝 より  
佐原みつる  不祝儀の仕出しの膳を片付けて茶碗をすすぐ頃に涙が
092:ホテル より  
笹井宏之  さむがりのたましいたちを宿らせてけやきホテルの夜が明けてゆく
091:命 より  
夜さり  たましひの虚ろを浮かべ始めたる母の命のカウントダウン
090:質問 より
笹井宏之  やむをえず私は春の質問としてみずうみへ素足をひたす
089:こころ より
夜さり  ちりぢりのこころが泣けば春秋を閉ざしをんなが成るストーカー
088:暗 より
近藤かすみ  帰り来て暗き鍵穴さぐるときほのかに香る木犀の花
087:テープ より
佐藤紀子  志ん生の落語のテープを夫と聴き昨日と同じところで笑ふ
086:石 より
ひぐらしひなつ  石になる覚悟ならもうできていてあなたの髪に手をさしいれる
085:きざし より
五十嵐きよみ  出会いとは別れのきざし別れとは出会いの萌芽 水めぐりゆく
花夢  孤独からうまれる決意 決意からうまれる孤独 星降るきざし
084:退屈 より
夏瀬佐知子  そうやってひとのあくびは責めるのにわたしの話、退屈ですか
夜さり  退屈に目鼻口髭おまへさま悟らせぬやう欠伸を殺す
083:筒 より
ワンコ山田  もう100歩電信柱遠くなれ初めて触れた君の水筒
082:サイレン より
夜さり  サイレント・マジョリティーのわたし 物言はぬ大衆と生まれ死にゆくひとり
081:露 より
夜さり  露時雨わけて草生を濡れてゆく「白玉か何ぞ」遠つより降る
080:富士 より
西中眞二郎  赤富士の赤にも似たる色持ちて朝晴れの富士吃立したり
079:塔 より
みにごん  空っぽの頭ん中で黙々と紫煙に燻される辺塔子(ペンターツ)
078:経 より
村本希理子  盛大にモーツァルトを鳴らしつつ歯科医はひよいと神経を抜く
077:写真 より
百田きりん  出会わなくなった未来に礼をして証明写真の残りをしまう
076:まぶた より
ひぐらしひなつ  銃声ひとつ夜に流れて指先でまぶたにのせる銀色の粉
075:鳥 より
ぱぴこ  鳥になるつもりで育ててきた羽の用途が未だ見つかりません
074:英語 より
青野ことり  ひらかなで「あなた」と思う人がいて英語の「You」じゃ思い出せない
073:像 より
百田きりん  ひとはひと 卵は卵 想像が大きすぎると割れてしまうよ
072:リモコン より
大辻隆弘  リモコンの突起をぷにゆ、と押さふればぷにゆと震へて替はるチャンネル
071:鉄 より
笹井宏之  感傷と私をむすぶ鉄道に冬のあなたが身を横たえる
070:神 より
百田きりん  神さまのせいにもおかげにもしないからつむじだけ見ててください
069:卒業 より
ワンコ山田  ガリ版で刷った卒業文集の夢は癖ある右肩下がり
068:杉 より
やすまる  有明のやぐら橋では手のひらに人大杉(ひとおおすぎ)と書いて呑み込む
067:夕立 より
川鉄ネオン  夕立の音が聴こえる昼寝からの目覚めはいつもすこし悲しい
066:切 より
兎六  まっしろに曇った空を横切ってメトロノームの錘の行き来
065:大阪 より
小春川英夫  アコースティックギターが大阪弁で泣く商店街のシャッターの前
064:ピアノ より
岡元らいら  漆黒のピアノにひとつ残る指紋わたしそろそろ歩き出さなきゃ
063:浜 より
黄菜子  サンダルの形に灼けた足洗ううっすら秋の来ている浜辺
062:乾杯 より
近藤かすみ  乾杯のかたちに上げし二の腕がふるふるふるふ秋の宴に
061:論 より
原田 町  口論をするには語彙が足りなくてひつくり返す卓袱台も無し
060:キス より
あいっち  フルートを奏でるときの唇はキスのときよりよく考える
059:ひらがな より
笹井宏之  ひらがなであったおとこが夕立とともに漢字に戻りはじめる
きじとら猫  勤務時は漢字の自分保ちつつ五時を過ぎればひらがなになる
058:鐘 より
駒沢直  石段の数はいつしか霧の中ゴール代わりの鐘ひとつ打つ
057:空気 より
振戸りく   空気まで美味しい場所でメレンゲを泡立てている職人気質
056:タオル より
カー・イーブン  包みこみ三つ数えてひらくときバスタオルから飛び出せ笑顔
055:労 より
西中眞二郎  手放すと決めし車に手を添えて御苦労さまと呟いている
054:電車 より
村本希理子  銀色のひかりの函となりていま郊外電車が鉄橋をゆく
053:爪 より
寺田 ゆたか  霧雨に沈むホテルのうすあかりベッドに座してひとり爪切る
052:あこがれ より
笹井宏之  あこがれがあまりに遠くある夜は風の浅瀬につばさをたたむ
051:宙 より
大辻隆弘  秋あつき夜半くるほしく、宙づりにされた芹沢鴨のにくたい
050:仮面 より
笹井宏之  ありふれたかおをいちまい川底へ沈める夕ぐれの仮面売り
049:約 より
カー・イーブン  定型をはずす程度に約束を破るだろうと思ってほしい
048:毛糸 より
花夢  もう、終わりかけているふゆ 編みかけの毛糸をほどくときはかんたん
047:没 より
五十嵐きよみ  若くして没した詩人の享年をいくつ過ぎたか数えてはだめ
046:階段  より
睡蓮。  DNA 過去と未来の真ん中をつなぐ私のらせん階段
大辻隆弘  階段の下半分は暗黒に没して夢は紡がれてゆく
045:トマト より
萱野芙蓉  罪もたぬ赤もありけりふるふると朝摘みトマトのゼリーをすくふ
044:寺 より
小籠良夜  かのつばめ訪ねてみれば空の巣に寺山修司『花粉航海』
043:ためいき より
稲荷辺長太  ためいきの温度を測る妖怪が身構えているコピー機の裏
042:海 より
野樹かずみ  いつか船は出てゆくだろう いまきみがクレヨンでかく海の向こうへ
041:障 より
やすまる  まばたきに差し障るような睫毛から裸子植物の匂いが落ちる
040:ボタン より
振戸りく  とれかけのボタンのようにたよりない絆だけれどないよりはいい
039:理想 より
星桔梗  その理想引き受けましたとあなたから耳打ちされた日を忘れない
038:穴 より
小早川忠義   埋めらるるものを待ちゐてぽつかりと穴貪欲に己を開く
富田林薫  穴のあるからだにうまれ理由などないのでしょうね うめたいのです
037:片思い より
寒竹茄子夫  片思ひの夏果ててのち花野ゆく少年の目に蒼穹(そら)透きとほる
036:湯  より
五十嵐きよみ  十代はすでに遠くてバスタブの湯を抜くときのかすかな悲鳴
035:昭和 より
富田林薫  昭和シェル石油のきいろい貝殻の化石のでてくる三万年後
034:配 より
ぱぴこ  配られたティッシュで泣いて配られたチラシの店で髪の毛を切る
033:太陽 より
ドール  紺色のスクール水着 太陽に思う存分愛された夏
032:ニュース より
稲荷辺長太  感情を動かす余地の無いニュースばかりなんだし狼煙でも良い
031:雪
花夢  許されていい頃なのに雪どけの水は澱んでまだここにある
030:いたずら より
此花壱悟  いたずらをしてみむとする大気圏隕石一つ荒れ野に落とす
029:国 より
飛鳥川いるか  地下鉄の駅にさらさら異国語の短冊揺れる七夕の夜
028:カーテン より
小籠良夜  泥酔のコキュに応ふる故もなしと寝屋のカーテン揺れて戻らず
027:給 より
月原真幸  近頃は供給過剰の感動や愛や涙で窒息しそう
026:地図 より
本田鈴雨  カーナビの地図に知り初む 今ここは東京湾のただ中なりき
025:化 より
フワコ  りんごあめ食べて真っ赤なべろを出すお化け屋敷の看板の下
024:バランス より
カー・イーブン  このところ俺と僕とのバランスがよろしく拙者ふてねでござる
023:誰 より
萱野芙  霧にあかく野あざみ立てり誰にでもすぐに謝る人は信じず
022:記号 より
笹井宏之  五月某日、ト音記号のなりをしてあなたにほどかれにゆきました
021:競 より
夜さり  スターマイン競ひ合ふ世を荒川に狼煙のやうな記憶の花火
橋都まこと  お薦めは一に「興奮」ニに「度胸」 ディック・フランシス競馬シリーズ
020:メトロ より
橋都まこと  終電と始発の間(はざま)のひとときにメトロは宙(そら)の夢を見ている
y*  北千住まで泣きながら乗るメトロ230円の失恋
019:男 より
うめさん  男運なしと思ひて生き来しが最後に福の残りてゐたり
018:酸 より
やや  どのように散りましょうかと酸性の色を濃くする夜の紫陽花
017:玉ねぎ より
此花壱悟  おとし玉ねぎられた子の顔をして米寿の人が昼寝している
016:吹 より
多田零  霊が寄るならば吹き消すしぐさならむ黒びかりせる手燭一対
015:一緒 より
謎彦  「透明」と「不可視」が一緒でないように「無」の字が歩いた跡には「無」の字のかたちの皮脂がつく
014:温 より
此花壱悟  細菌の温床一つ持っている喜ぶ人にあげようと思ふ
013:スポーツ より
市川周  スポーツと認められない悔しさにプロテイン飲み干すかるた部部長
012:赤 より
笹井宏之  わたしからあなたへ移る人称のさかいに赤い花束をおく
011:すきま より
カー・イーブン  すきまなく並ぶタイルな毎日でしばしば濡れるまれに剥がれる
010:握 より
兎六  説明はむつかしいけど左手を握って開く ハトが飛び出す
009:週末 より
野樹かずみ  かくめいが消息不明になってから週末ごとに釣りに行く叔父
008:種
描町フ三ヲ  知らなくていいことだから知りたくて種子島からロケットは飛ぶ
橋都まこと  種一つ掌中にあり何の種か知らむとすればまず蒔いてみる
007:スプーン より
謎彦  ひのもとの鉄砲鍛冶屋の名にかけて死ぬ気で鍛えた太閤殿下のスプーンひと揃い
006:使 より
小麦  好奇心使い果たしたここからが君と私の真剣勝負
005:しあわせ より
ハルジオン  「しあわせは自給自足よ!パック売りしているやつじゃ意味がないから」
004:限 より
ハナ  ヘソで茶を脳でチャチャチャをなんにでも限界はある実は寂しい
003:屋根 より
笹井宏之  もうそろそろ私が屋根であることに気づいて傘をたたんでほしい
002 :晴 より
みずき  晴れ渡る空と時間のさかひ目へ少女はギターつうと立て掛く
001:始 より
水野月人  駅員も知らない秘密霧の日の始発列車は空も飛びます
臨時ニュース
謎彦  始まりを悟った時には始まりの刹那の密度が七百五分の一ほど失せていた
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2006/05/29  | trackback(0) | comment(0)


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