らくだはお気楽
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一首選一覧 2008

100:おやすみ より
船坂圭之介  おやすみとつい声掛けて亡妻の居ぬ空間を見詰むしばらく
099:勇 より
井関広志  幻の一人称をくくり上げ重きに抗う勇魚(いさな)獲り綱
098:地下 より
佐山みはる  地下街を行きかう人の影薄くたまさか人でない影も見ゆ
097:訴 より
本田鈴雨  なにごとのありて水槽出でたるや あはれ直訴の沼海老は干(ひ)ぬ
096:複 より
野州  夕暮れの空をぱたぱた複葉機飛んで往きしを児らが追ひたる
095:しっぽ より
冬鳥  ことばにもしっぽはあつて赤蜻蛉(あかあきつ)空へ放てば「サヨナラ」 といふ
094:沈黙 より
美木  沈黙が言い訳よりも雄弁で赦す言葉も出ないドライブ
093:周 より
井関広志  ネクタイを緩めるだけで周辺の風景は色を変えてゆくなり
092:生い立ち より
史之春風  リリーさんマリーさんにも人並みの生い立ちはあり紫煙の彼方
091:渇 より
井関広志  荒るる酒飲みつぐ夜はこめかみの奥の渇きを舌先に載す
090:メダル より
小早川忠義  新宿の明るさ過ぎたる道の端踏まれ続けるメダル一枚
089:滅 より
蓮池尚秋  「この電池減ってないよ」と怠そうに君はマイナス舐めながら言う
088:錯 より
やすまる  あしあととゆめが交錯する空をわたってわたしへかえる明け方
087:天使 より
沼尻つた子  札束を焼く熾天使の羽根としてカウンタックの扉はあがる
086:恵 より
此花壱悟  恵存と揮毫せし吾山積の自叙伝をやや後悔している
FOXY  「恵存」と扉に書きし歌集なり 105円棚に下ぐれど売れず
085:うがい より
ワンコ山田  あっ、私、ジャム期に入った、たった今 うがいの届くあたりの喉が
084:球 より
村本希理子  球体の失せたるマウス世の果ての回し車をからから駆ける
083:名古屋 より
村上きわみ  母と子と繰り言ゆるくかさねあう午後をおさめて解く名古屋帯
082:研 より
大辻隆弘  一穂の燭のほのほを研ぐごとく机上に闇はくだりきたりぬ
081:嵐 より
中村成志  キッチンは嵐の中で暮れなずみ青いボウルにたゆたうトマト
080:Lサイズ より
やすまる  Lサイズの絶望をかう『沈痛な肌触りです。現品限り』
八朔  幸せのLLサイズ在庫ありお買い得です店主敬白
079:児 より
わたつみいさな。  見返りを求めないとはこのことか嬰児を抱く腕の重さよ
078:合図より
みち。  もうあてにしないで欲しいわかりやすいきみの合図をわざと見逃す
077:横 より
やましろひでゆき  横のもの縦にもしないが裏返すくらいのことはしてみるかもね
076:ジャンプ より
斉藤そよ  ジャンプするうしろすがたを見るために風はうごきをとめております
075:量 より
泉  今やもう迷ふことなき目分量当りはずれを家族に饗す
074:銀行 より
イツキ  銀行に静かに漂う諦めを吸って育ったパキラ…でかいな
073:寄 より
岡本雅哉  寄せて上げ寄せては上げる(繰り返し)寄せて上げる(が見せてあげないっ)
072:緑 より
南 葦太  葉緑素なんか持たない人の身で光合成と洒落込む二人
071:メール より
西中眞二郎  出逢い系メールを見れば興味引くものもありたり慌てて消しぬ
070:籍 より
我妻俊樹  扇風機かたづけながら籍を抜くはなしにはまだ長いつづきが
069:呼吸 より
小野伊都子  ゆっくりと呼吸をするたび細胞に沁みこんでいくきみのテノール
068:踊 より
矢島かずのり  どうなるか知っているからもう二度と踊り子さんには手を触れません
067:葱 より
小早川忠義  得意げに説教できず我が前に人を殴れるほどの長葱
066:ひとりごと より
藤野唯  ひとりじゃないときのひとりごとだなんて聞こえてほしいに決まってるじゃない
065:眩 より
振戸りく  原因はワイパーらしい 雨が降るたびに目眩におそわれるのは
064:可憐 より
西原まこと  たぶんひとつの幻想としていつまでも可憐な花は絶壁に咲く
063:スリッパ より
五十嵐きよみ  病院のスリッパみたいな面々がてんでに勝手なことばかり言う
062:浅 より
野州  悲しみはたとへば浅蜊が砂を吐くやうにほつほつ語られてゐき
061:@ より
里坂季夜  ?(クエスチョン)@(アットマーク)と;(セミコロン)だけで日記を書ける日がある
此花壱悟  onngakuha_worldkakemeguri@odorokusekaiga.com
(読み:音楽はアンダーワールドかけめぐりあっとおどろく世界がどっと混む)
西原まこと  anata@wasurerarenai.com宛のメールが戻ってきます
060:郎 より
蓮池尚秋  向き合って座った途端メーテルが鉄郎を見るような目になる
059:ごはん より
今泉洋子  ぶくぶくと不平不満を呟きてうまきごはん炊くわが炊飯器
058:帽 より
美木  風に飛ぶ麦わら帽を拾いあげ恋が始まらないこともある
057:パジャマ より
藻上旅人  パジャマ着て「はじめまして」はないだろう 君の名前をまだ聞いてない
056:悩 より
佐山みはる  ほおづえをつけば悩みがあるようで雨を見ている海辺の店に
055:乾燥 より
あいっち  肌よりも乾燥しやすい心かも知れずちいさな詩集をひらく
054:笛 より
野州  草笛をかくもかなしく吹きゐるはなにごともなきゆふぐれのため
053:キヨスク より
此花壱悟  キヨスクで逸脱を購ふはじめてのワンカップ持つ平日の朝
052:考 より
椎名時慈  悪いことごまかすために思いつくいい考えは悪い考え
051:熊 より
酒井景二郎  幼さは魔法に似たり足下に小熊の如き犬を眠らせ
050:確率 より
水野加奈  確率は10% のみ記された箱の中身を誰も知らない
049:礼 より
美木  今更の他人行儀な礼状が会ったことない妻の字で届く
048:凧 より
沼尻つた子  飛び方を忘れし凧にメーヴェなる名を付け風の谷へと帰す
047:ひまわり より
佐山みはる  ひまわりの黄色は吾に足らぬ色十指を夏の陽にひらけども
046:設 より
小籠良夜  改竄はそも神々の御手に依り バベルの塔の設計図など
045:楽譜 より
やすたけまり  戻れない路地をのぞけばバイエルの楽譜の上の赤い花丸
044:鈴 より
小早川忠義  「目立たない方の鈴木」と呼ばれゐる同窓会の常任幹事
043:宝くじ より
近藤かすみ  宝くじ売場の小窓を出入りする手と金と少しばかりの希望
042:鱗 より
新井蜜  テーブルに鱗がひとつ落ちていて午後の会議に身が入らない
041:存在 より
やすまる  私が存在すると仮定して服を脱いだり着たりしている
040:粘 より
さくら♪  忘れたいなら青い飴粘りたいなら赤い飴 甘いのはどっち?
39:王子 より
村木美月  王子でもろくでなしでも同じこと恋でなければ目覚められない
矢島かずのり  王子様よりも気になるひとがいてガラスのくつをのこせずにいる
038:有 より
はらっぱちひろ  有害であってたまるか初めての相合傘に降り注ぐ雨
037:V  より
原 梓  Voyageの発音があまりにVoyageでVoyageとあだ名されたる教師
036:船 より
本田鈴雨  エンジンを切れば鯨とわが船と或る距離たもちつつただよへる
035:過去 より
中村成志  ふくらみは果てなくみえて一瞬の過去もろともに波がくずれる
034:岡 より
やすたけまり  寝てたでしょう? 「つぎは長岡ペンギン」と駅員さんがいま言ったのに
033:すいか より
わらじ虫  食べるときいつも誰かがそばにいるようにすいかの大きさはある
032:ルージュ より
しおり  その人の 赤いルージュがぺらぺらと わたしの知らぬあなたを語り
031:忍 より
花夢  もうすこし、もうすこしなの、忍耐は鳥のかたちになりかけている
030:湯気 より
此花壱悟  花冷えに蒸籠の湯気は道を行く人をぐるぐるにして放さず
029:杖 より
寺田 ゆたか  歌会に杖突いてくる老い人の歌みな若く空を翔けをり
028:供 より
ジテンふみお  お供えのリンゴの塔がこけそうで写真の姉に手が生えかける
027:消毒 より
泉  艶やかに苺煮上げて消毒の済みし容器に春を詰め込む
026:基 より
矢島かずのり  基本的人権のない孫を抱く母の愛読書は「猫びより」
025:あられ より
本田鈴雨  しろたへの半紙のうへに供ふれば雛あられあはしぼんぼりの灯に
024:岸 より
米庄引汰  クロールで三途の川を渡ったら向こう岸から追い返された
023:用紙 より
なゆら  奥さんがややためらって差し出したお醤油付きの申請用紙
022:低 より
泉  雨の日の低き辺りを沈丁の香の伝ひ来て吾を寂びしむ
021:サッカー より
なゆら  青青青青青青と揺れ出したサッカー場にあたしは座る
020:鳩 より
村上きわみ  この街の余白を埋めるありふれた鳩鳩ベンチ鳩わたし鳩
019:豆腐 より
矢島かずのり  本当(は怒ってきみが投げつけた木綿豆腐)に申し訳ない
018:集 より
川鉄ネオン  夢で逢い夢から覚めて永久に集合場所をなくす俺たち
みち。  集まってしか暮らせない僕たちはきっとだれかのなにかの一部
017:頭 より
花夢  猫だった記憶があって不機嫌は頭を撫でられるとおさまる
016:% より
水須ゆき子  春の夜成分のうち少なくとも20%は猫である
015:アジア より
吹原あやめ  アジアでは花に生まれた ものいわぬものにうまれてくりかえす罪
014:泉 より
水須ゆき子  この水は何を潤す数字かと源泉徴収税額を打つ
013:優 より
天昵 聰  散髪の優良店でヒゲをそる 金魚鉢から泡がでている
012: ダイヤ より
ワンコ山田  ワンタッチダイヤルAは愛してる 指が海馬を無視してしまう
011:除 より
拓哉人形  丁寧にグリンピースを除けながら先伸ばされるふたりのあした
010:蝶 より
船坂圭之介  幕間ひのひととき啜るラーメンの絵になる今日の蝶々夫人
009:会話 より
水野加奈  四時までの会話と短いレシートを斜めに折って財布に入れる
008:守 より
兎六  生真面目にルールを守る幽霊を毎朝置いて行く交差点
007:壁 より
水須ゆき子  また一人どこにもいないひとがいてますます白い税務課の壁
006:ドラマ
やましろひでゆき  ドラマツルギーなる言葉乱発し自滅していくワシ演出家
005:放 より
あみー  俺はもう日照権を放棄して地上のもぐらとして生きてく
004:塩 より
やましろひでゆき  塩沢トキのような頭にしたいという母を説得する雛の夜
003:理由 より
みち。  にんげんがにんげんのために用意した理由によって生まれぬいのち
002:次 より
岩井聡  この次の彗星まではとっておくカラシニコフは庭師の名前
001:おはよう
花夢  すこしだけ傾く地球 おはようの意味は毎日わずかに変わる
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2006/05/30  | trackback(0) | comment(0)


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